楽天カードと楽天ゴールドカード…どちらを選ぶべきか…。
利用者が多いので選択肢に悩む人も多いのではないかと。
この2つのカードはこれまで仕様変更による改善・改悪が行なわれており、その優位性も以前よりやや変化してきています。
まずはここでその最新の違いをはっきりと明確にしておき、その上で最適な選択をするためのポイントを解説するので参考までにご覧ください。
楽天カード or 楽天ゴールド?
前提というか…当然ながらというか…どちらがお得かについては、やっぱり本人の使い方によるところが非常に大きいです。
…なので、それぞれのカードの特性をしっかりと確認し、見極めることがお得に利用する重要なポイントになるでしょう。
まずはこれらのカードの特性を一覧にまとめているのでご覧ください。
種別 | 楽天カード | ゴールドカード |
---|---|---|
年会費 | 無料 | 2,160円 |
P還元率 (楽天市場) |
2% | 4% |
P還元率 (楽天以外) |
1% | 1% |
ETCカード | 有料付帯 | 無料付帯 |
空港ラウンジ | 利用不可 | 無料回数あり |
例えば楽天市場を利用する人で、「毎月利用金額5,000円前後&ポイント重視」といったタイプであれば、お得なのは通常の楽天カードの方になるでしょう。
特にポイント重視での利用という条件になってくると、そこそこの利用頻度だけでゴールドカードへ切り替えるのは損になる可能性は高いです。
楽天市場のライトユーザーを含め、基本的に多くの人にとってはやっぱり通常の楽天カードが使いやすいと考えます。
詳しくは後述しますが、簡単に理由をまとめてみると…
① 年会費2,160円は安いが利用金額次第で負担になりやすい。
② ETCや空港ラウンジといった付帯サービスの利用の有無。
③ 付与される期間限定ポイントを使いこなせるかどうか。
楽天ゴールドカードは少なくとも毎月平均1万円程度の利用金額、もしくは付帯分も含めてその同価値を見出せる人でないとお得にはならない…そんなタイプのクレジットカードであるといえるでしょう。
他カード会社のゴールドカードと比較しても、飛びぬけて格安になっている年会費は確かに魅力的に感じるかと思います。
しかし、だからといって誰もが持つだけで、必ずお得になるカードとも限らない点には注意しておきましょう。
お得になる損益分岐点を試算
先に紹介した一覧のとおり、楽天ゴールドカードの年会費は税込2,160円。
そして、楽天カードと楽天ゴールドカードの還元率の差分は2%。
つまり、税込み年会費2,160円÷差分の2%で「年間108,000円(月換算で毎月9,000円)」が、この場合の損益分岐点ということになります。
(※ 楽天カードの還元率変更前の差分は1%だったので、2,160円÷差分1%で年間216,000円、月換算で毎月18,000円が損益の分岐点でした。)
2018年に行なわれた通常の楽天カードの還元率ダウンによってその差が大きくなったため、結果的に年会費分を取り戻す金額も少なくなったというわけです。
厳密に計算してみると毎月9,000円ですが、一般的にいわれるように毎月1万円とするのが目安としても覚えやすいですね。
…それでも月1万円はまだまだ高いハードルと感じる人も少なくないでしょう。
しかし、普段から必要になりやすい日用品などを、ネットショッピングに切り替えるだけでもかなり違ってくるので、一度整理して試算してみるのもおすすめです。
最近の平均利用月額は1万円超?
マーケティングリサーチを行なっている株式会社バルクによると、ネットショッピングの「年間平均利用金額は152,877円」という結果も明らかにされていますね。
(※ 出典:「インターネットショッピングに関する調査」 株式会社バルク)
…ただ、この調査における対象人数が1,045人とそれほど多くないため、金額はもうちょっと前後する可能性はあるでしょう。
また、なかなかちょうどいい調査資料を見つけることができなかったため、調査時期が2015年と少々古いものとなっています。
ネットショッピングの利用は年々増加しているため、近年においてはもうちょっと違った結果になるかなと思います。
一部のヘビーユーザーが平均値を底上げしてしまうような可能性もあるため、「平均値以上=大半」と単純に鵜呑みにすることはできません。
…それでも年間平均利用金額を見る限りでは、思っていたよりも多くの人がゴールドカードへの切り替えでお得になる可能性があるのかもしれませんね。
関連記事:「お得術!楽天カード入会ポイントを2重取りする作り方」
使い方次第の付帯サービス
ここでは最初の項目でも掲載した両者の付帯サービスについて。
楽天ゴールドカードを選択する要素として付帯サービスを重視する場合もあるため、きっちりその点も解説しておきたいと思います。
ゴールドはETCが無料付帯
実は通常の楽天カードにもETCを付帯させることはできますが、こちらの場合は有料付帯となっており年会費540円が別途必要になっています。
(※ ただし、ポイント獲得数4,000ポイント以上などの特定条件をクリアしたプラチナ会員なら無料付帯。もちろん無料付帯継続はプラチナ会員の維持も必要。)
せっかくなのですでに紹介したシミュレーションのようにETC込みで試算すると、年会費差額は…ゴールド2,160円-ETC付帯カード540円で1,620円に。
年会費差額1,620円÷還元率差分2%で年間81,000円、月換算で平均6,750円とETC込みで考慮した場合はさらに取り戻し分の差は少なくなりますね。
…しかし、ETCカードについては別の選択肢もあります。
ETCは年会費無料で付帯しているカード会社もあり、2枚持ちに抵抗がなければETC無料付帯が可能なカードと楽天カードとの2枚持ちにする選択肢もあります。
(※ セゾンカード インターナショナルやイオンカードセレクトなど。)
コストか2枚持ちか…人によって優先度は異なるでしょうが、選択肢がないわけではないので検討してみる価値はあると思います。
空港ラウンジを利用する人
空港ラウンジはゆっくりとくつろげる空間を利用できるので、人によってはここでの時間を楽しみたいという人の重要な選択肢になることも。
以前は年会費2,160円で利用回数が無制限と利便性の高さが魅力でしたが、2018年9月に「無料利用できるのは年2回まで」へと変更されました。
それでも空港の利用頻度や楽天市場との併用を考えれば、選択肢としてなしと切り捨てるのはもったいないかもしれませんね。
ただ、利用頻度の多いユーザーには優位性が低下したでしょう…。
…とはいえ、ETC以上に利用者が限られてくる付帯サービスとなっているので、空港を利用する機会がなければここは完全に切り捨てポイントになるでしょう。
実は月1万円でも要注意?
これは個人的にも注意喚起しておきたい損益分岐点に付随する話。
先の項目にて損益分岐点を試算して厳密には9,000円…覚えやすく1万円…という話をしましたが、実は月1万円でも考慮すべき注意点があります。
楽天ゴールドのポイント内訳
それは楽天ゴールドカードの「ポイント付与の内訳」が大きな要因。
ポイントの内訳は以下の一覧にまとめているのでまずはご覧ください。
ポイント種別 | |
---|---|
カード利用通常ポイント (通常ポイント) |
+1% |
カード利用特典ポイント (期間限定ポイント) |
+1% |
ゴールドカード利用特典ポイント (期間限定ポイント) |
+2% |
合計 | +4% |
(※ +5倍とか+5%と表示されている場合は、最も基本となる「お買い物通常ポイント」の+1%を含んでいるだけ。)
…と、上記の一覧において最も注目すべき点は、付与されるポイントの内訳には「期間限定ポイント」が含まれるということ。
ポイントの7割が期間限定
通常ポイントを除けば楽天ゴールドカード決済で付与されるポイント還元率は+4%で、そのうち7割以上を占める+3%分が期間限定ポイントです。
- 期間限定ポイントとは?
- 利用期限の設定されていない通常ポイントに対し、特定の期間経過後に自動失効となるのが期間限定ポイントの特徴。有効期限内では「1ポイント=1円」として使えますが、有効期限を過ぎると「1ポイント=0円=無価値」に。
さらに、ここで付与される期間限定ポイントは全て「付与後の翌月末日まで」となっているので、有効活用するにはそれも含めて使い道を考えておく必要があります。
例えば楽天市場で1万円分の買い物を行なった場合、通常ポイント+楽天ゴールドカード決済分で付与される合計付与ポイントは500ポイント。
そのうち300ポイントが期間限定ポイントで、タイミングにもよりますが最大でも2ヶ月程度でそのポイントは失効してしまうというわけです。
「楽天市場を利用するなら楽天ゴールドが最強!」といった力押し全開のブログを見かけることもありますが、こういったポイントの内訳まで含めて考えると、必ずしも利便性が高いばかりとも限らないので注意すべきでしょう。
人によっては使うタイミングを限定される期間限定ポイントはデメリットになってしまうので、「1万円以上使っているからお得!」と単純な判断は推奨できません。
総合的には期間限定ポイントを使いこなせるかどうかも含めた上で、2つのカードを比較することがすすめられます。
関連記事:「ムダを全力回避!楽天の期間限定ポイントの使い方」
倍率次第では楽天カードで十分?
楽天カードは2018年に還元率が3%から2%へと変更され、楽天ゴールドカードとの還元率の差は「2%」に広がってしまいました。
どちらにもこれ以外に独自の還元率ボーナスがないため、この差は大きくなることはありませんが小さくすることもできません。
…なので、これ以上そのことを気にしても仕方ないので、気持ちを切り替えていくしかありませんね。
まぁ、このような仕様変更があっても楽天カードは、ポイントを獲得するための「コスパ」を考えると利便性の高さはやっぱり相変わらず。
これまでどおり楽天市場の愛用者からライトユーザーまで、幅広く使いやすいおすすめカードに違いないでしょう。
確かに還元率では楽天ゴールドカードに追いつきようがありません。
しかし、還元率の劣る楽天カードであってもポイント倍率をしっかり上げておけば、楽天ゴールドカードと比べても見劣りしないほど、そこそこ見栄えのするポイント倍率にすることだって不可能ではないのです。
楽天カードに関連するものや、比較的簡単にポイント倍率を上げられるものを以下の一覧にまとめているので参考までにご覧ください。
種別 | ポイント倍率 |
---|---|
通常ポイント | +1% |
楽天カード | +2% |
楽天銀行 (カード引落) |
+1% |
楽天アプリ | +1% |
5と0のつく日 | +2% |
合計 | +7% |
…と、このように楽天銀行との紐付けやアプリの使用、5と0のつく日など比較的手軽にポイント倍率を上げられるものを考慮すれば、楽天カードの場合でも「+7%」に達することはそれほど難しいことではないのです。
これだけでもなかなか効率的にポイントを稼ぐことはできそうですね。
まぁ、当然ながら楽天ゴールドカードでも同じ内容のポイント倍率を加算できるため、上記の+7%でさらに+2%を加算した合計+9%まで達するのですが…。
…コスパを考えればまだまだ有用性の高さは変わらない楽天カード。
…楽天カードの仕様変更でさらに身近になった楽天ゴールドカード。
自身の利用頻度や利用金額によって適したお得カードは違ってくるので、ここで明らかにした数々の情報を元に、適したカードを選び抜く参考にして頂ければと思います。
関連記事:「お得術!楽天カード入会ポイントを2重取りする作り方」